「仏恩抄」結びの挨拶
  
 
 
仏恩抄を終わりに当たって三和先生のご挨拶がございます。

その折三和先生の実家のそばにある聖蓮寺の開祖である三和兵部太輔秀重さまからお歌を頂いています。


正像末和讃(宗祖親鸞聖人様)

不思議の仏智を信ずるを
報土の因としたまへり
信心の正因うることは
かたきがなかになおかたし


とあります。

  平成7年2月17日 水谷先生宅にて

先生が私の背中に
触れられますと
三和兵部ですと言って
出て下さったそうです。

そして三和兵部太輔秀重様はお歌を下さいました。
 この世にて
 なすべきことの
  なさざるを
御身かわりて
  受けし心を
  
  聖蓮寺開祖浄信法印

なぜ浄信法印様はこのお歌を私にくださったのかおわかりでしょうか。

何年前の事で年月ははっきり覚えておりませんが、水谷先生宅にて浄信法印が出て下さったことがございました。

その時「何事も何事も真を持って徹せよ」とただ一言賜りました。

その時は私に対するご忠告と頂きました。

決して忘れておりません。

そして今回のお歌でございます。

聖蓮寺の開祖浄心法印様がお歌を(私)僧侶(恵心院釈聴義)に下されたことは私の仏道に対する姿勢が開祖浄信法印様の本意にかなっていることをお知らせ下されたものと有り難く頂きました。

まことにまことに有り難いことでございます。

そうでありますから決して間違って仏恩抄に対して疑いを挟まないように願います。

仏恩抄は宗祖親鸞聖人様が特に力を入れて下さり、神通力をお持ちの水谷先生現在71才になられました。

健康で此の世におられる間に仏法興隆の為に、私を育てて下さり、仏恩抄をおつくりくだされたものとおもっております。

先生がどのようにして神通力をお持ちになったかは八幡大神様(八幡大菩薩)によるものか私にはわかりません。

仏書に菩薩の位では天眼、・天耳・他心・神足・宿命・漏尽と、普通では障子一重の向こうの見えなかった者が菩薩の位では目を開くと三千大千世界が一目に見えるそうです。

修行によって六神通力を得られるのです。

一つの花から八つの梅がなる神通力 このようなこともできる。

高僧(宗祖親鸞聖人様)がこの娑婆に出て下されたのですから、今もこの世に神通力のある方がおられても何もおかしくないと存じます。

どうか仏智を疑って大きな罪を作らぬように願います。

勿論仏智不思議を了知させていただくことは容易なことではありませんが、阿弥陀如来様の信心の智慧によって真実をみせていただくのであります。

如来様からまことの信心をいただき、そしてその信心の智慧によって「仏恩抄」が真実であることがわかるのです。

いいかえますと阿弥陀如来様の
加威力(威神力)廣慧力(本願力)が加わって下さらないと真実はみえてきません。

現在本願寺(西本願寺)一万ケ寺へ仏恩抄をおくるように努力しております。

宗祖親鸞聖人様のお手伝い仏恩報謝であります。

できますならば本願寺派が終われば次は大谷派(東本願寺です)仏恩抄を全国の浄土真宗の寺へ送り届けることが私の使命なのです。

本願寺御門主、龍谷大学教授、仏教学院先生方に仏恩抄を送らせていただき、多くの感謝や励ましのお言葉を賜っております。

最後に聴聞とは宗祖親鸞聖人様が

ユルサレテキク と書いておられます。

皆さんよき善知識より聴聞に聴聞を重ね、お聖教も読んで見事浄土に往生されることを心より願って終わりとします。

  合掌

南無阿弥陀仏

  浄土真宗本願寺派僧侶(教師)
   恵心院釈聴義
  平成七年二月一日


最後まで仏恩抄をお読みくださいまして有り難うございました。

仏恩抄がまさしく仏のお言葉真実のお聖教であることをよくご理解いただけたことと存じます。

学者と言われる人でも本願の信心をいただいている人は稀かもしれません。

浄土真宗の弥陀廻向の信心のむつかしさはそこにあるのです。

仏法は無我であり、仏の因縁をもって往生させていただく、仏から賜るご信心であります。

本願寺を代表される先生方のお手紙をお読みいただき、それでも疑問の残るのであれば、何の不足有りてか?

その人は本願の信心をいただけない仏の因縁のない人か、よほど無宿善の人であろうと思います。

お聖教をしっかりと読み、聴聞を心掛け、仏智の不思議を不思議と了知させていただく人間にならせていただくことが大切であります。 合掌

南無阿弥陀仏  
 平成6年5月1日
 恵心院釈聴義

 
宗祖親鸞聖人様から
お歌を賜りました

平成7年3月2日
  水谷先生宅で
 御仏の
 証(あかし)たてし
  うるわしく
こころたのしく
 受けし此の身を
 
 
  宗祖親鸞聖人様より
  賜る

平成11年1月28日


 
とどめなく
 心のさとり
  深くして
身のさだまりし
 足元かるく
 
 私の店に水谷先生がお立ち寄りくだされた時
宗祖親鸞聖人様から歌を賜りました。

平成6年9月11日
 ましますと
 心しずかに
  念ずれば
つうずる通(みち)の
 明らかなるを

最後に三和先生のご苦労に対して本願寺内事部長より頂いた手紙を紹介して終わらせていただきます。